イギリスで初めて認証されたCOPD患者向けのDTx『myCOPD』

DTx製品『myCOPD』とは

 イギリスのポーンマスに本拠を置くmy mhealth社が開発した『myCOPD』は、COPDの専門家及びNHS(イギリス国民保健サービス)の協力のもと開発されたCOPD患者向けのDTxで、クラスⅠの医療機器として、該当するMHRA MDR基準及びCEマーク、NICE、そしてNIAに準拠し、Cyber Essentialsの認証を受けています。

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同製品は症状管理機能や専門家による教育コンテンツ、そしてCOPD治療のための肺リハビリテーションなど、各種プログラムの提供を通して患者のセルフマネジメントをサポートしています。

具体的にどのような機能を備えているかについて患者側、医師側に分けて説明します。

患者側への機能

引用元:https://mymhealth.com/mycopd

教育コンテンツ

COPDの専門家が監修した教育コンテンツが充実しており、患者は自身の疾患に対する理解を深めることができます。また、動画コンテンツを通してCOPD治療に際する投薬タイミングや吸入器の正しい利用方法に関する知識を学ぶことができます。

肺リハビリテーション

肺疾患治療に有効とされる、肺リハビリテーションのプログラムを提供しており、従来対面診療でしか行うことができなかった肺リハビリを自宅で気軽に行うことができます。

天気予報と公害予報

日々の正確な天気予報を受信し、患者が住む地域の天候や大気汚染が健康に与える影響を伝えてくれます。

レポート

日々の服薬状況や運動記録を基に、週~年単位で肺機能の経時的な傾向や症状の変化をレポートとしてまとめあげています。

医師側への機能

 医師はダッシュボードを通して、担当患者の現在の症状や各種プログラムの進行状況を随時確認することができ、従来の対面診療ではかなわなかったリアルタイムでの診療を可能としています。さらに、蓄積された患者の情報を基に、COPD治療の新たな発見に役立てることができます。

今後の展開

 myCOPDは2021年11月にニュージーランドで上市し、2022年2月にはアメリカで製品化を目指すことが決定しました。Asthma and Respiratory Foundation NZの報告によると、45歳以上のニュージーランド人全体の15%(20万人)がCOPDに苦しんでいると推定され、がん、心臓病、脳卒中に続く地域の死因の第4位となっているといいます。さらにアメリカでは800万人もの人々がCOPDに苦しみ、肺リハビリテーションを受けることができずにいるといいます。

このようにイギリス国内だけでなくCOPDに苦しむ海外においても製品展開を着実に進めている同製品の今後の展開に注目しましょう。


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