Virta Health―“1億人”の糖尿病治療への道

 現在アメリカには約1億1500万人もの糖尿病または糖尿病予備軍の人々が存在しており、その数は年々増えています。Virta Health社は2025年までにそのような現状を打破することを目標として2014年に創業された米サンフランシスコに拠点を置く企業です。主に糖尿病治療のDTx製品を開発・販売をしています。

Virta Healthの事業内容

 現在アメリカの社会問題にもなっている糖尿病ですが、同社はそれに対するソリューションとして『Virta』を提供しています。

引用元:https://youtu.be/K87gpme1fC8

 昔より、糖尿病はただ単に食事の量を減らし運動して体重を減らせば予防ができると考えられてきましたが、科学の発展とともに「栄養バランスの取れた」食事と「適切な」運動により予防ができるのだと分かってきました。しかしながらこの二つを達成するには栄養管理士や医師などによる継続的な指導が必要不可欠であるため、ランニングコストがどうしてもかかってしまい、個人にも企業にも負担がかかってしまいます。

 一方、スマートフォンのアプリなどを通して治療を行うDTx製品であればいつでもどこでも手軽な料金で治療を受けることができるので、継続もしやすい上に金銭的にも負担が減ります。糖尿病患者が二年間「Virta」での治療を行った場合100万円ほど節約できると推定されています。

創業の経緯

 Virta Health社の共同設立者でありCEOのサミ・インキネン氏は2011年にアイアンマン70.3世界選手権というトライアスロンの世界大会で年代別優勝を果たしましたが、その年に糖尿病予備軍であることが発覚してしまいました。「たくさん食べてたくさん運動する」ことが健康の常識だと思って納得できなかったインキネン氏は二型糖尿病について調べるうちに、糖質制限とメタボリックヘルスの研究で有名なスティーブン・フィニー博士とジェフ・ヴォレック博士に出会い、彼らからアドバイスを受けながら治療をしていきました。

 そうした背景もあり2014年、「2025年までに1億人の糖尿病を治す」ことを目標として掲げ、彼らと共同でVirta Health社を設立しました。

今後の展開

 Virta Health社は米メディアFierce Healthcareの「2022年最も“勢いのある15の企業」に選出され、この件について特集された回で同社は2022年の目標として「健康保険、雇用主、政府機関との連携をより促進していくこと。」と言及しています。現在Virtaには500万人以上の会員がいて、他機関との連携によりこの人数もかなり早いスピードで増加しています。

 会員が増えたことに伴い、従業員を倍以上に増やし、上級管理職の入れ替えも行ったVirtaHealth社の今後の成長に目が離せません。


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