Applied VR-各家庭へのVR薬局の設置の実現に向けて

Applied VR, Inc. とは

 Applied VR社は2015年に設立されたアメリカのスタートアップで、患者の痛みや不安を緩和するためのVRコンテンツを開発しています。同社は圧倒的なエビデンスに裏打ちされた没入型治療法で痛みを解決し、各家庭にVR薬局を設置することを究極の目標としています。

DTx製品『EaseVRx』

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=XsGgNfYYetk

 同社が開発するDTx製品『EaseVRx』は、VRを用いた疼痛治療として初めて、クラスII医療機器としてFDAの承認を受けました。同製品はマインドフルネスのスキルおよび認知行動療法のテクニックを活用して、患者が慢性的な痛みをコントロールできるよう支援しています。

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創業の経緯

 同社の共同設立者兼CEOであるJosh Sackman氏は、先天性の関節靭帯異常で生まれたため関節が弱く、慢性的な痛みに苦しんでいました。その中でも3度の肩の再建手術やその他いくつかの関連手術を受けた経験から、慢性的な痛みを軽減し、その上症状を管理してくれるようなサービスを作ることを思いついたといいます。

その後、同じく共同設立者兼CEOであるMatthew Stoudt氏と出会い、それぞれがVRについて共通の興味・関心を持っていたことが現在の創業に繋がっているといいます。
Stoudt氏は広告テクノロジーを専門としており、TedXでバーチャルリアリティに関する講演を見た後、病院内のスクリーンが広告以上の効果を発揮できるようになる未来を見据えていました。一方Sackman氏は以前勤務していたLieberman Researchにて、VRには行動を変化させ、共感を得る能力があることを知り、VRの活用可能性に活路を見出しました。

今後の展開

 同社は2021年3月にシリーズAラウンドで2900万ドル(約31億円)を調達しており、同年11月にはシリーズBで3600万ドル(約41億円)の資金調達に成功しました。Stoudt氏は、「当社の目標は、没入型の治療法を誰もが利用できるようにすることです」と述べています。

EaseVRxは現在、慢性腰痛に対してのみ承認されていますが、同社は今後線維筋痛症、変形性関節症、子宮内膜症、不安や鬱など、他の臨床分野への展開を望んでいます。疼痛治療のパラダイムシフトを起こすべく奮闘しているApplied VR社の今後の動向に注目しましょう。


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