2010年、世界で初めて誕生したDTx『BlueStar』

『BlueStar』とは

 BlueStarは米WellDoc社が糖尿病患者向けに開発したデジタル治療アプリで、2010年に米国食品医薬局(FDA)から医療機器として承認を受けた、いわゆる世界初のDTxです。

↓↓↓ Welldoc社についてはこちらの記事をご覧ください

 同製品は、18歳以上のⅠ型及びⅡ型糖尿病患者を対象とした疾患自己管理支援のためのデジタルヘルス製品として、糖尿病患者の血糖値や血圧、服薬状況、そして食事や運動の管理までを一括して行うことができます。特に、収集したデータをAIが解析していることから、リアルタイムで糖尿病患者個々に最適化されたコーチングを行うことができ、血糖値の低減だけでなく健康全般の改善を可能としています

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=V5brfjfxjEU

BlueStarの優位性

医学的効果

 BlueStarはFDAによって医学的効果が実証されており、薬物療法や食事療法、運動療法など従来の糖尿病治療の補完的な役割を果たしています。実際にBlueStarを使った際の有意な結果が報告されており、BlueStarを使用した患者のHbA1c*が使用開始後3~6か月程度で平均1.7~2ポイント低下したといいます。

*HbA1c…糖化ヘモグロビンがそのくらいの割合で存在しているかの指標。血糖値が高いほど値は大きくなる。

個々の患者への最適化

 BlueStarは各患者のデータを機械学習によってAIに学習させ、個々の患者に最適化されたアプローチを可能としています。データが蓄積すればするほど個々の患者に最適化されたコーチングをAIが行ってくれるため、患者は治療を無理なく継続することができます。

医療データの利活用

 BlueStarでは服薬状況や食事・運動、そして疾患の改善状況についてのデータが患者だけでなく医療チームにも共有されるため、それらを有効活用することによって糖尿病治療の改善に大きく貢献することができます

今後の展開

 世界初のDTxとして時代を切り開いたBlueStarですが、米国やカナダだけでなく今後はアジア諸国にも進出することが予想されます。実際に同社は2019年、日本のアステラス製薬株式会社とデジタルセラピューティクスの開発および商業化について、戦略的提携に関する契約を締結し、本格的な日本進出に取り組み始めました。米国や欧州よりもDTx開発が遅れている日本にとって追い風となるのか、今後の動向に注目しましょう。

製品概要

製品名:BlueStar®

対象疾患:Ⅰ型及びⅡ型糖尿病(注:2019年11月より1型糖尿病も対象に)

治療方法:同アプリは血糖値の低減だけでなく健康全般の改善を目的として、糖尿病患者の血糖値や血圧、服薬状況、食事や運動の管理を一括して行います。

具体的に患者は以下のサービスを受けることが出来ます。

・入力した健康データを基にしたAIによる分析・コーチング(臨床ガイドラインに基づいた40,000を超えるメッセージパターンがあります。)

・SmartVisit™レポートによる健康データの推移と分析のケア・チームメンバーとの共有

・大人数の健康を管理する場合は週・月ごとの健康の推移を見ることが出来る

製造会社:welldoc

↓↓↓welldoc社のHPはこちら

リリース:2010年

使用上の注意:18歳未満の人、妊娠している人、CGM(持続血糖モニタリング)をしている人

研究結果例:BlueStarを使用した患者のHbA1c*が使用開始後3~6か月程度で平均1.7~2ポイント低下した。

*HbA1c…糖化ヘモグロビンがそのくらいの割合で存在しているかの指標。血糖値が高いほど値は大きくなる。

↓↓↓他の臨床研究・調査についてのデータはこちら

承認状況:FDA認可のクラスⅡ医療機器(米)、カナダ保健省認可のクラスⅡ医療機器(加)

使用できる国:アメリカ、カナダ(日本、英国、カナダにて近日公開予定)


関連記事