大塚製薬とClick Therapeuticsが大うつ病性障害患者を対象としたDTxの開発・販売で提携

大塚製薬とClick Therapeuticsの提携

 2019年1月3日、大塚製薬の子会社である大塚アメリカInc.とアメリカのDTx企業であるClick Therapeutics Inc.が大うつ病性障害(MDD)患者におけるアントメットメディカルニーズに対応し、治療成績を向上させることを目的として、処方箋DTxの開発及び商業化に関する提携契約を締結したことを発表しました。

今回の提携は、Click Therapeuticsが有するDTx開発及び商業化の能力と、大塚製薬が有する重篤な精神疾患患者への処方薬開発の専門性及びその他の開発・商業化能力を活用するといったことが背景にあり、両者ともに非薬物療法であるDTxが薬物療法的治療を行う従来の精神医学に改革をもたらす可能性を見出しています。

提携の契約内容

 この度、大塚製薬はClick Therapeuticsが開発する精神疾患治療用DTx『CT-152』の開発資金を全額提供し、薬事承認取得後に全世界で商業化することに同意しています。具体的は、契約一時金のマイルストーン払い(段階支払い)として最大1000万ドル、さらに開発資金として2000万ドル、そして薬事承認取得を条件として2.72億ドル支払うことになっているなど、総額約3億ドルもの契約となっています。またClick Therapeuticsは『CT-152』の全世界での販売額に応じて段階的にロイヤリティを受け取る形になっています。

大塚製薬のコメント

 今回の提携に関して、大塚製薬は「今回の提携は、薬物療法をはるかに超えたソリューションを開発し、患者さんのアンメットメディカルニーズに応えるという大塚の決意の表れです。」と述べており、特に大塚アメリカInc.のアメリカ医薬品事業部社長兼CEOであるKabir Nath氏は「我々の目標は、メンタルヘルス専門家の不足や認知療法を行う時間が限られているという課題から、現在実現可能であるよりも多くのMDD患者さんに、エビデンスに基づいた認知療法を提供することです。」とコメントしています。

大塚製薬について

 大塚製薬は、「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」を企業理念とするグローバルヘルスケアカンパニーとして、疾病治療のための医薬品と日々の健康維持のための栄養補助食品を中心に、革新的な製品の研究、開発、製造、販売を行なっています。医薬品の分野では、メンタルヘルスという難易度の高い分野でリーダー的存在であり、世界的な公衆衛生上の重要課題である結核をはじめ、対処が遅れているいくつかの疾病に関する研究プログラムを持っています。これらの取り組みは、大塚製薬がいかに「ビッグベンチャー」であり、若さゆえの創造性を発揮しているかを物語っています。

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