生活習慣改善のパートナー『Omada』

Omada Health社とは

 アメリカ合衆国サンフランシスコに拠点を持つOmada Health社は心臓病や2型糖尿病など、深刻ではあるものの予防可能な慢性疾患のリスクとなる人々の習慣を変えることを支援するデジタル行動医学の会社です。2011年の設立以来、1700以上の自営業の雇用主や医療保険制度、医療システムと連携し、55万人以上の会員を獲得しました。

同社は「人々が永続的に自分の意志で健康的な生活を送れるようになること」を目標に掲げ、会員にパーソナライズされたツール、リソース、サポートを提供しています。人々が「使える」だけで終わらず「継続できる」ようなケア・プログラムを臨床的な研究をベースに構築しています。

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生活習慣改善アプリ「Omada」とは

 Omada Health社の提供する生活習慣改善アプリ「Omada」には、複数人所属している会社や医療システム用の「Omadaプラットフォーム」と個人用の「Omada」の2種類があります。それぞれ他のメンバーがいるかいないかで少しだけ機能が変わるところがありますが大枠は同じです。ユーザーが目標を設定し、目標を達成するためのプランをOmadaが構成し、ユーザーがOmadaのサポートを受けながらプランを実行していきます。

引用元:https://www.omadahealth.com/

 以下、主に提供されている「Omadaプラットフォーム」について説明します。このプラットフォームには4つのコースがあります。

OMADA FOR PREVENTION(予防)

 糖尿病と慢性疾患の予防のためのプログラムで、Omadaプラットフォームの主力コースです。このプログラムは米国疾病予防管理センター(CDC)に米国糖尿病予防プログラム(DPP)の基準を満たすものとして認められています。

このプログラムの臨床実験によると、被験者は開始1年後に体重が平均4.7%減少し、2年後には平均4.2%の体重減少を維持することができたと言います。このレベルの維持は糖尿病予防プログラムにしては珍しくOMADA FOR PREVENTIONの継続的な関与の力を物語っています。また、平均血糖とヘモグロビンA1c(糖尿病進行の重要なマーカー)の有意な減少と健康的な維持が結果として出ており、糖尿病予防に有効であることを示しています。

 また、このプログラムは健康の維持に効果的なのはもちろんのこと、医療費の節約にもつながります。アメリカでは今三人に一人が前糖尿病(糖尿病の前段階)を患っていると推定されており、米国の糖尿病による経済的な負担は27兆円(医療費19.5兆円、糖尿病による経済的な損失7.6兆円)にも上るという大きな社会問題となっています。そのような背景もありOmadaを利用すると一人当たりの年間総医療費が平均13万円節約できるという結果がでています。

OMADA FOR DIABETES(糖尿病)

 糖尿病患者のためのプログラムです。糖尿病は適切な食事と運動、薬による継続的な治療が必要となり、また治療費もかかるので精神的にも経済的にも厳しい病気です。

 OMADA FOR DIABETESは糖尿病の継続的なケアを助けます。糖尿病患者を対象とした臨床研究ではヘモグロビンA1c(糖尿病進行のマーカー、5.6%未満が健康で6.5%以上で糖尿病、10%以上で入院レベルの重症)が8か月で0.8%も削減され、プログラムの有効さを示しています。またユーザーは平均15万円年間総医療費を節約したという結果が出ていて、プログラム満足度も91%と高いです。

OMADA FOR DIABETES(高血圧)

 高血圧も糖尿病と同じで食生活や運動習慣の改善など継続的な努力が必要となる慢性疾患だと言えます。このプログラムは高血圧の人々に向けたプログラムで食費や医療費など含む年間総節約費は22万円と推定されていて、プログラム満足度は89%です。

OMADA FOR MUSCULOSKELETAL(関節と筋肉の健康)

 デスクワークが多い現代において腰痛を抱えている人はとても多いです。現在、関節や筋肉などのMSK(MUSCULOSKELETAL:筋骨格)は医療費で2番目に大きな源泉としてランク付けされていて、この医療費は会社に大きな負担を与えています。

このプログラムはMSKの健康を維持するためのプログラムで、インターネットを通じて認可された理学療法士によるケアを受けることができます。ユーザーの医療費は平均27%削減され満足度も99%と非常に高いものとなっています。

Omada Healthのこれから

 サンフランシスコ-2022年2月23日-慢性医療統合ヘルスケアプロバイダーであるOmada Healthは1億9,200万ドルのシリーズE資金調達ラウンドを発表しました。この資金で同社は⑴従業員の増大⑵ケアとコーチングのパーソナライズの向上⑶OmadaInsightLab(Omadaの研究機関)への投資の増加をし、Omadaの規模をより大きく、サービスの質もより向上させていく予定です。

米国の成人は9600万人が前糖尿病、3730万人は糖尿病と診断されています。さらに米国の成人の47%が高血圧で、 50%以上が筋骨格系の問題に苦しんでいます。Omadaがこのアメリカの深刻な慢性疾患の問題のソリューションとなれるのか、今後の展開に注目していきましょう。


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