『Oleena』とは
『Oleena』は、フランスのVoluntis社が開発したがん患者向けのDTxで、クラスⅡ医療機器としてFDAより承認を受けています。同製品はがん患者が自身の症状をセルフマネジメントできることを目的としており、それに加えケアチームとの連携や遠隔モニタリングなどの機能を通してリアルタイムでの症状管理を可能としています。
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医療従事者への機能
医療従事者はOleenaを通じて各患者のニーズに合わせた治療計画や症状管理の方法を設定し、患者のマネジメント状況を逐一確認できるとともにリアルタイムでの適切なアドバイスを可能としています。また、重症度に応じたトリアージを自動的に行ってくれる機能を基に優先度の高い患者に対する治療計画やアドバイスを行うことができます。
Oleenaの有用性と使用方法
Oleenaの有用性について
Oleenaはがん患者が日常的に症状をコントロールできることを目的としており、直接的にがんを治療することはできません。それにもかかわらずFDAより医療機器としても承認を受け、がん患者にとって有用とされるのはどうしてでしょうか。それは、がんにおけるセルフマネジメントが非常に重要であるからです。がんの症状をセルフマネジメントすることは、下痢や痛み、吐き気など、患者の日常生活に影響を与え、治療の中断につながるような苦痛な症状を回避できることが期待されます。
さらに同製品はケアチームによる遠隔モニタリングを通して症状の悪化を未然に防ぎ、救急外来や入院を減少させることで医療コストの低減までをも可能としています。
使用方法
Oleenaの使用方法としては、まず医療従事者が患者の容態に合わせてアプリケーションを設定します。次に日々の症状に関してアプリ―ケーションに入力すると、レポートとして出力されます。そして症状の重症度を評価するとともに各患者にパーソナライズされた提案を行います。その提案に応じて患者はセルフマネジメントを行い、重症だと判断された場合にはケアチームとの連携を行います。こうした各患者に合わせた提案を軸とするセルフマネジメントとともに、症状の回帰までにモニタリングを続けます。
まとめ・今後の展開
Voluntis社のCEOであるPierre Leurent氏は、次のように述べています。『症状をモニタリングするだけでなく、リアルタイムでパーソナライズされた治療介入をデジタル配信することは、臨床的・経済的に大きな成果をもたらす機会を提供すると信じています。私たちは、がん治療分野では初の処方箋付きDTxであるOleenaを導入し、がんの治療期間を通じて患者さんの体験を変えることができることを嬉しく思っています。』
がん患者のセルフマネジメントに着目し、がん分野における世界初の処方箋型DTxとして世界中の多くの患者を助けるであろうOleenaの今後に引き続き注目していきましょう。