呼吸器のバーチャルケアDTx『Aria/NuvoAir Home』

DTx製品『Aria/NuvoAir Home』とは

引用元:https://www.mobihealthnews.com/news/emea/nuvoair-respiratory-platform-receives-class-im-medical-device-status

 Aria(別称:NuvoAir Home)は、スウェーデンのNuvoAir社が開発したDTxで、喘息やCOPDなどの慢性的な呼吸障害を抱える患者を対象とし、患者の状態に基づいてパーソナライズされた治療の提案を行っています。特に呼吸器機能を検査するための医療機器であるスパイロメーター“AirNext”と併用して使うことで、呼吸器障害をセルフマネジメントすることができます。またAriaはFDA及びCEマークの認証を得ており、医学的エビデンスに基づく医学的効果が検証されています。

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スパイロメーター『AirNext』

 スパイロメーターとは、呼吸器の機能を検査するための医療機器であり、特に『AirNext』は患者自身が自宅で検査を気軽に行えるようカスタマイズしてあります。Air Nextは、1秒間の強制呼気量(FEV1)やピーク呼気流量(PEF)、強制呼気操作における強制生命維持能力(FVC)を測定することを目的としています。これらの測定値は、喘息やCOPDなどの肺疾患の検出や評価、モニタリングに使用することができます。

患者と医療従事者にとってのメリット

 患者はAirNextとAriaと併用して使うことで、検査結果に応じて個人にパーソナライズされたコーチングやアドバイスを受けることができます。また、患者だけでなく医療従事者にとっても大きなメリットがあります。Ariaプラットフォームを介して病院の医師だけでなく理学療法士を含めた他の医療従事者がアクセスすることができることや、患者の呼吸器の健康状態をリアルタイムで把握することができることから、効率的な医療を提供することが可能となります。Ariaプラットフォーム上で行われる解析は呼吸器疾患の悪化を予測するのに役立つため、医療専門家は最も重要な症例に集中することができるなど、ワークフローの最適化が行われます。

今後の展開

 現在、5億人以上もの人々が喘息やCOPDなどの慢性呼吸障害に苦しんでおり、毎年約3000億ドルもの費用が呼吸器障害の治療に使われているといいます。このような状況下において、自宅でも気軽に呼吸機能の検査を行うことのできる製品を開発したり、そのデータに応じてパーソナライズされた治療方法やアドバイスを行ってくれるソリューションを提供したりと、Ariaが慢性呼吸障害治療にもたらす恩恵は計り知れません。

実際に同社は過去3年間で50万もの肺活量測定テストのデータを収集することに成功しており、患者や医師、製薬会社に識見を提供するための機械学習アルゴリズムを強化することに成功しています。このようにして患者が自宅で気軽に検査を行えることができる仕組みを整えたAriaがますます世界へソリューションを展開していくことは間違いありません。同社の今後の動向に引き続き注目していきましょう。


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