NuvoAir-分散型臨床試験による患者中心のアプローチへ

NuvoAir Inc.について

 NuvoAir Inc(以下、NuvoAir).は2016年にスウェーデンのストックホルムで設立されたデジタルヘルスのスタートアップで、現在はスウェーデンとアメリカに本拠を置き、慢性呼吸障害を対象としたソリューションや分散型臨床試験を実現するソリューションを提供しています。同社は『ヘルスケアの提供方法を根本的に変えること』を使命としており、不完全で複雑な現在の医療システムにおいて患者中心の治療体験を提供することを目指しています。

ここから、具体的にNuvoAirが開発及び提供している製品及びアプリケーションについて紹介します。

引用元:https://www.nuvoair.com/blog/nuvoair-receives-fda-clearance-for-the-air-next-spirometer-and-opens-an-office-in-boston

患者向けDTx製品『Aria/NuvoAir Home』

 最初に紹介するアプリケーション『Aria』は、喘息やCOPDなどの呼吸器障害を抱える患者向けに開発されたDTxで、呼吸器機能を検査するための医療機器であるスパイロメーター“AirNext”と併用して使うことで呼吸器障害をマネジメントすることができます。

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分散型臨床試験ソリューション『Alfa』

 次に紹介するアプリケーション『Alfa』は分散型臨床試験の実施を支援するソリューションです。分散型臨床試験とは、従来の臨床試験のような被験者を指定の場所に集めて実施するといったものとは異なり、各患者が自宅で要件を満たすように設定することで場所を分散して行う臨床試験のことです。主な利点としては臨床試験が実施される場所へ行く必要がないことから患者の貴重な時間とリソースを節約することができ、結果的に患者中心の研究アプローチを行うことができる点です。Alfaは医薬品開発の全フェーズにおいて、世界中で 30 以上の臨床試験に用いられています。

医療従事者向け『Air MD』

 次に紹介するアプリケーション『Air MD』は医療従事者向けのアプリケーションで、呼吸器疾患の診断や肺機能の変化のモニタリングを支援しています。同製品は疾患及び投薬のトラッキング機能をはじめとして、スパイロメーターの結果をレポートとして抽出してくれる機能などを備えており、最大99人の患者を管理することができます。さらにAppleのHealthcareアプリと統合できることから、スパイロメーターのデータをエクスポートすることが可能となっています。

スパイロメーター『Air Next』

 次に紹介する『Air Next』は呼吸器機能を測定する医療機器“スパイロメーター”を家庭用にカスタマイズしたものです。同製品はクラスⅡ医療機器として、CE認証及びFDA510(k)認可を受けており、国際標準規格であるISO-26782に準拠して開発されています。また同製品はBluetoothに接続することで各種アプリケーションと連携することができます。さらには、同製品のおかげで患者は自宅にいても呼吸器機能を検査することができ、分散型臨床試験を実現することが可能となります。

睡眠中の咳モニタリング『NuvoAir Cough』

 最後に紹介する製品『NuvoAir Cough』は睡眠中の咳をモニタリングすることで、夜間の咳の変化や傾向を把握し、自身の症状の理解を深めることを支援するアプリケーションです。ここで得られたデータを NuvoAir Home の他のデータと組み合わせることで、呼吸器系の健康状態が時間の経過とともにどのように進展するかをより幅広く把握することができます。NuvoAir Cough は、喘息、COPD、嚢胞性線維症、IPF、肺移植後などの呼吸器疾患を持つ患者にとって、NuvoAir Home を補完する最適な製品となっています。

創業の経緯

 NuvoAirの創業者でCEOであるLorenzo Consoli氏は創業の経緯に関して次のように語っています。「子供の頃、私はひどい喘息に悩まされていました。何度か入院したこともあり、その時は両親も本当に心配しました。祖母はCOPDが原因で亡くなりましたし、他の家族も残念ながら重度の呼吸器疾患を患っていました。その上、幼い息子も喘息です。ですから、私は自然と呼吸器の健康に惹かれてきました。現在の医療制度は、患者さんを日常的に助けるようにはできておらず、患者さんが入院することになってからでは、いつも手遅れになると感じていました。しかし、正直なところ、2012年に偶然にもノバルティス呼吸器フランチャイズのデジタルヘルスチームに参加して初めて、テクノロジーとヘルスケアがいかに一緒になるべきものかを理解しました。ある種のデジタルバイオマーカーによって、患者さんが治療に反応しているかどうかがわかったり、入院の可能性があるかどうかが予測できることに気づいたり、目からウロコでした。そうした知見と、それまでの患者としての経験を備え、2016年に呼吸器の健康改善に挑むことを決意し、NuvoAirを創業しました」

今後の展開

 2019年4月に300万ドルの資金調達に成功したことを皮切りに、2021年の6月にはシリーズAラウンドにて1,200万ドルの資金調達を、翌年には1,100万ドルの資金調達に成功しました。これらの資金調達によって、欧米におけるNuvoAirデジタルケアプラットフォームの拡大及び新製品の開発、そして分散型臨床試験のパートナー及び顧客基盤のサポートに拡充されることとなります。

資金調達に際してLorenzo Consoli氏は次のようなコメントを残しています。「私たちのソリューションに対する需要や必要としている患者にそれらを提供できる可能性というものがチーム全体のモチベーションとなっています。今回の資金調達のおかげで、慢性疾患に苦しむより多くの人々がより良い生活を送れるようにする技術やデータサイエンス、そして臨床サービスの拡大を可能とします。」


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