Voluntis
Voluntis社は2001年に設立されたフランスの企業で、慢性疾患を抱える患者が自身の症状をセルフマネジメントできるようなDTxを複数開発しています。フランスとアメリカの二つに本拠を置いているVoluntis社は長きにわたって築き上げたライフサイエンスの大企業との関係性を基に、多大な臨床データを活用した研究を進めています。特に現在では糖尿病とがん疾患に向けたDTxを開発しています。
The Theraxium Platform
Voluntis社は独自のソフトウェアプラットフォーム“The Theraxium Platform”を構築しており、このプラットフォームを基盤として各種DTxの開発を進めています。同プラットフォームは各種データの管理及び分析を行っており、例えば患者から送信された健康データは同プラットフォーム上で蓄積し分析した後、レポートとして医療従事者側に提供することができます。
また、各種DTxを開発する上で基盤となる同プラットフォームは堅牢なセキュリティ体制を築き上げており、データの安全性を担保した上で分析を行うことが可能となっています。The Theraxium Platformは慢性疾患をセルフマネジメントするためのDTxの開発から活用までを全面的に支える基盤となっています。
開発している二つのDTx製品
Ⅱ型糖尿病患者向けDTx『Insulia』
Insuliaは成人のⅡ型糖尿病患者の中でもインスリン投与を必要とする患者向けに開発されたDTxで、医療従事者の処方箋を必要とします。日々の血糖値やインスリン投与のデータを基に、いつどのタイミングで、どのくらいの量のインスリンを投与するのが最適であるか、をリアルタイムでサジェストしてくれます。
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がん患者向けDTx『Oleena』
Oleenaはがん患者向けに開発されたDTxで、患者が自身の症状をセルフマネジメントすることを支援しています。各患者にパーソナライズされた治療計画やケアチームとの連携、継続的な遠隔モニタリングを通してリアルタイムでの症状管理を可能としています。
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Voluntisの歴史
Voluntis社は、『先進的な情報技術によって構築された革新的な医療技術は現実世界を良くし、ヘルスケアシステムの効率化を促進させる』と信じる3人の起業家たちによって設立されました。上記で述べたように現在既に二つのDTx製品をリリースしていますが、そうした迅速な開発プロセスの背景にはソフトウェアに関する専門知識や医療の規制に関する卓越性、そして品質管理プロセスなどが充実していることが挙げられます。実際に同社のプロジェクトチームにはソフトウェアエンジニアだけでなく医療専門家を含めていたり、科学チームには医師や薬剤師だけでなく生物学者なども含めるなど、マルチタレントにチームが組織されています。
今後の展開
ここまで説明したように、Voluntis社は独自のプラットフォームやマルチタレントなチームによって迅速なDTx開発を進めています。現在、同社のDTxソリューションはアメリカやEU、カナダをはじめとする14の規制当局から承認を受けており、これまでのヘルスケアアプリとは一線を画したエビデンスに基づいたアプリケーションをグローバルに展開しています。今後欧米のみならず、日本をはじめとするアジア諸国への展開も可能性としては十分に考えられます。Voluntis社の今後の動向に注目しましょう。