『Zemy』とは
『Zemy』は、英Bold Health社が開発したDTx製品で、こどもが遊びながら胃腸の健康を保てるよう開発されたDTxです。同製品はIBS治療に有効とされる治療法、“腸指向性催眠療法(GDH)”に基づいたアプリケーションで、その催眠療法をゲーム形式に落とし込むことでこどもが無理なく、継続して胃腸疾患のセルフマネジメントを行えるようにします。
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具体的な内容
同製品は、1レベルあたり10ステージのプログラムを7レベル、すなわち70ステージで構成されています。各ステージは所定のゲームをクリアするとアンロックされる形式となっており、プレイヤーはガイドに従ってゲームを進めることで、IBSの症状を和らげたりセルフマネジメントしたりすることが可能となります。
また、FAQセクションを設けており、こどもであっても胃腸の健康に関する知識を容易につけることができます。さらにアプリケーション内には、睡眠の質の向上させるプログラムやお絵かきセクションなども備えており、胃腸の健康を保つだけでなく、リラクゼーションや自己表現のできる環境を整えています。
保護者向けコンテンツ
同製品はこども向けのみならず保護者向けにも胃腸系疾患に関するコンテンツを提供しており、こどもが腹痛を訴えたときに正しい方法で対処できることを目的としています。また、こどもの症状や経過を随時閲覧することのできるダッシュボードを実装しており、こどもがどのようなペースで学習しているかを把握することができます。
使用に際するメリット
同製品を使用することは、こどもが自身の腹痛をセルフマネジメントできるようになることをはじめ、QOLの大幅な上昇、集中力の向上、そして就学率の向上が期待されます。さらには、対面式治療よりも低コスト・短時間での治療が可能であるため時間場所を問わず利用することのできるアクセシビリティの高さが挙げられます。
今後の展開
腹痛や腹部の不快感、下痢などの症状を繰り返す「過敏性腸症候群(IBS)」は一般的に成人に近づくほどその有病率は上昇していますが、こどもであっても侮ることはできない病気です。IBSは特に検査をしても異常がみられないことを特徴としており、特に学校に通うこどもにとっては仮病と誤解されてしまう状況にさえあるといいます。
こどもは大人と比べて通学中に便意が出てくるのではないかと恐れを抱いていることもあり、Zemedyのようにゲーム形式で胃腸の健康をセルフマネジメントすることができれば、ストレス軽減の大きな手助けになるのではないでしょうか。こどもの胃腸環境を整えるデジタル医療ソリューションとして今後どのような展開を見せるのか、引き続き注目しましょう。