『Butterfly iQとは』
Butterfly iQは、米Butterfly Networkが開発したポータブル型全身超音波スキャナで、
FDAより認証を受けています。従来の超音波検査機は一台につき9000~2万ドルという高額で、かつサイズが大きく移動範囲が限られていることから限られた施設でしか利用することができませんでした。一方、同製品は一台あたり2000ドルという従来と比べて破格の値段で提供されており、かつ電動髭剃りほどのサイズでコンパクトな設計であるため持ち運びが容易で場所を問わず利用することができます。
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使用方法・特徴
使用方法としては、患部にジェルを塗ってiPhoneに接続した同製品をあてるとモノクロのエコー画像がiPhone上に映し出されるという仕組みになっています。通常、超音波検査機は水晶を振動させることで超音波を生み出しますが、Butterfly iQは半導体チップの上にある9000もの小さなドラムが刻まれることで振動が生み出されるのが特徴です。
Butterfly Networksのソフトウェアエコシステム
同社が提供しているソフトウェアシステムではAIを利用しており、それによってセットアッププロセスを簡略化しています。搭載されているコンピューター用画像認識アルゴリズムがスマホカメラから映像を取り込み、プローブの位置をリアルタイムで検知することができます。それに加え、拡張現実(AR)を通してユーザーに直接指示を出し、プローブを正確な患部に置くよう促す仕組みになっています。
今後の展開
創業者のRothberg氏は次のことを述べています。『これは、必要不可欠な医療技術を利用できない数百万の人に超音波を届ける、という約束を果たすための重要なステップです。DNA シークエンシング同様、超音波画像の民主化にも着手したのです。世界中の3分の2の人は、医療画像を利用できません。先進国世界でも、費用と専門知識の欠如により、利用可能性は限られています。』
Rothberg氏が述べたように、同製品はそれまで利用することが叶わなかった医療発展途上国を中心に今後展開が進むことが予想されています。それだけでなく、遠隔医療を実現するための重要なピースとしても考えられています。このように新たな市場への参入が期待されるButterfly iQ及びButterfly Networks社の今後の動向に注目しましょう。