SUSMED-“持続可能な医療“を実現する

 サスメド株式会社(以下、サスメド)は“持続可能な医療”を目指して2015年に創業されました。同社は睡眠障害を治療するデジタル治療アプリの開発をはじめとして、臨床試験の効率化を目指すシステムなどの医療向けのICTサービスを提供しています。

サスメドの事業内容

治療用アプリの開発

 同社はデジタル技術を活用した治療用アプリの開発を行っており、特に、従来用いられてきた治療法以外に開発余地のある分野に焦点を当てています。以下の図は現在同社が開発を進めている治療用アプリ及び診断用アプリの一覧です。これを見ると、同社は睡眠障害をはじめとして乳がんや腎臓病など幅広い分野で開発を進めていることがわかります。

引用元:https://www.susmed.co.jp/application/

尚、睡眠障害を治療するアプリについては2022年2月1日に厚生労働省に対して製造販売の承認を求める申請をしました。

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また同社は自社が持つ開発能力に加え、オープンイノベーション型で事業パートナーと協同しアプリ開発を進めているといいます。新しく開発した“QDTx”と呼ばれる治療用アプリ開発プラットフォームを利用し、デジタル治療アプリのPoC(概念検証)及び治療効果の検証を高速化することで製品開発の期間や工数を削減しています。

臨床試験の効率化推進

 また同社は、ブロックチェーン技術を基盤とした“サスメドシステム”を提供しており、臨床試験の効率化を推進しています。医薬品を開発してから販売するためには必ず臨床試験を行う必要がありますが、それを行うにあたり莫大な時間とコストがかかっているのが現状の課題となっています。というのも、臨床試験で得られた治験データは医療機関のデータと照合してデータが正しく記録されたものであるかどうかを検証する必要があり、尚且つその照合作業は直接医療機関に足を運んで行うことが一般的であるためです。
一方で、ブロックチェーン技術を基盤としたサスメドシステムでは臨床試験で得られたデータがブロックチェーン上にリアルタイムで記録されるため、後々医療機関に出向いてデータの照合作業を行う必要がありません。ひとたびブロックチェーン上に記録すれば改ざんされるリスクはなく、信頼性のあるデータを担保することができます。

創業の経緯

 代表取締役社長である上野太郎氏は2006年に大学を卒業後、精神科で診療に従事していました。中でも睡眠医療に臨床医として不眠症障害患者を診察した経験が起業のきっかけとなったといいます。当時(現在においても)、日本の不眠症障害に対する治療は薬物療法が主な手法となっていた一方で、睡眠薬には副作用をはじめとするデメリットがあることから海外では認知行動療法という非薬物療法が主流になっていたといいます。そういった背景から薬物を使用しない治療用アプリを開発し睡眠障害を患っている人々を救うべく起業したといいます。

今後の展開

 ここまで説明してきたように、サスメドは睡眠障害をはじめとして様々な疾患に対するデジタル治療アプリの開発や臨床試験の効率化を推進するためのICTシステムの開発を進めています。同社のこのような取り組みはデジタル医療が遅れている日本を変えていくのではないのでしょうか。特に、2022年2月1日には睡眠障害治療用アプリの製造販売承認を厚生労働省に申請したとのことで、申請が認められ市場に出回れば日本の睡眠障害治療への取り組みが大きく変わるでしょう。日本の医療を変革していくサスメドの今後の動向に注目しましょう。


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