Serenity DTx社のVRを利用したDTxソリューションがカナダの介護住宅に導入

介護住宅地へのDTxソリューションの導入

 2022年3月31日、個人の健康と幸福の向上を目指し革新的なDTxを開発及び提供するSerenity DTx社(以下、Serenity)が、カナダの介護付き住宅Summerland Seniors Village(以下、Summerland)と提携し、スタッフとそこに住む住民の双方にVRを活用したDTxソリューションを提供しました。Summerlandは、カナダバンクーバーの高齢者住宅地区West Coast Senior Housing Management(以下、WCSCM)に位置しており、地区に住む高齢者が快適な暮らしを送れるよう常に新しいプログラムやイノベーションを開発し続けなければならないということを認識しており、今回の提携に至ったといいます。

WCSCMからの評価

実際に、高齢者が快適な生活を送るには健康の維持が必要であり、そのためには非侵襲的な療法が重要になってきます。それに対し、地区運営ディレクターであるTammy Deausy氏は今回の導入の取り組みに熱心になっており、次のようなことを述べています。「私たちは、介護を受ける高齢者のために非薬物療法的な解決策を見出すことに尽力しており、Serenityと協力して、この非侵襲的で簡単に使える治療ソリューションを居住者に試し、スタッフにストレスや不安を取り除く機会を歓迎しました。この1ヶ月間、私たちは、これがスタッフにとっても入居者にとっても同様に有益であることを観察しています。」

Summerlandからの評価

 また、実際にDTxソリューションを導入したSummerlandのレクリエーションボランティアサービス担当マネージャーであるJane Berrisford氏も同様に今回の取り組みを支持しており、次のようなことを述べました。「レクリエーションセラピストとして、私はいつも非薬物療法について興味を持っています。Serenityのデジタルセラピーを目の当たりにした結果は、まさに驚きとしか言いようがありません。 初日、認知症の進んだ入居者が、ヘッドセットを頭に装着して没入型体験を始めた途端、穏やかになったのを確認しました。彼女は言葉を発しないのですが、普段は音を出しています。それがすぐに静かになり、没入体験が終わった後もしばらくは再開しませんでした。」

Serenityが提供するDTxソリューション

 このように、今回DTxを導入した介護施設側は非侵襲的なDTxソリューションを高く評価しています。一方でSerenityのCEOであるPaul McCrea氏は次のように述べています。「私たちが提供するセラピーソリューションは、その有効性を裏付けるような信頼できる多くの科学的証拠があります。しかし、本当にエキサイティングなのは、それがいかに効果的に人々を落ち着かせリラックスさせ、痛みの緩和、より良い睡眠の実現、精神の鋭さの向上を助けているか、そして彼らがVRを通した没入体験を本当に楽しんでいるかを見たときです。」


同社が開発する製品は30年にわたる神経科学と認知科学、心理学の研究を考慮したものであり、非侵襲性の高い療法として、高齢者への身体的及び精神的負担を減少させることができます。今回の提携の成功を踏まえて今後他の高齢者施設への提供、あるいは高齢者に絞らず様々な施設に導入されていくことも期待できます。同社の今後の動向に注目しましょう。


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