糖尿病のセルフマネジメント支援をするDTx『myDiabetes』

DTx製品『myDiabetes』とは

 『myDiabetes』は、NHS(イギリス国民保健サービス)の組織の一つであるKent and Medway CCG 及び同組織の独立慈善信託であるPaula Carr Diabetes Trustの協力をもとにmy mhealth社が開発したDTx製品です。同製品はクラスⅠの医療機器として、該当するMHRA MDR基準及びCEマーク、NICE、そしてNIAに準拠し、Cyber Essentialsの認証を受けています。

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同製品の概要を簡潔に説明すると、“各種教育コンテンツや運動及び食事管理プログラムを各患者に最適化した形で提供しており、患者が糖尿病管理におけるセルフマネジメントを行えるように支援するアプリケーション”です。数ある機能の中でも、この記事では製品の核となるコンテンツである「DM:Fit™」について詳しく説明させていただきます。

DM:Fit™

引用元: https://mymhealth.com/mydiabetes

 

 『DM:Fit™』は、Ⅱ型糖尿病患者のためのフィットネス及び栄養管理プログラムです。12週間にわたる運動及び食事管理プログラムの提供を通して、患者が自身の血糖値をコントロールしたり、長期的な合併症のリスクを軽減したり、さらには体重や血圧、コレステロールを減少できるようにします。

運動管理プログラムは、Exercise Zone 1~Exercise Zone 3までの3段階にレベル分けされており、段階が上がるごとに運動強度があがっていくイメージです。Exercise Zone 1は、週3回緩やかなワークアウトを行うプログラムで、Exercise Zone 2は2日連続のワークアウトと1日の休息という3日間セットを4週間にわたって行うプログラムとなっており、Exercise Zone 3では3日連続のワークアウトと1日の休息という4日間セットを4週間にわたって行うプログラムです。

一方、食事管理プログラムは、各個人の健康状態や運動の具合に合わせた最適な食事メニューを提示してくれ、かつ予算内におさめるように最適化してくれます。尚、日々の食事や運動によって自身の体形がどのように変化したのかについては、Bluetoothでリンクされた体重計を通して管理することができ、より個人に最適化された運動及び食事管理プログラムを提供することが可能となっています

他コンテンツ

 同製品は他にも豊富なコンテンツを取り揃えており、例えば独立非営利団体であるQISMETが認定した糖尿病に関する教育コンテンツを備えており、患者は糖尿病に関する教育動画を見ることで自身の疾患理解を深めることができます。他にも、日々の血糖値管理機能やレポート機能なども備えています。
ここまで述べたコンテンツ内容は全て患者側に向けたものであり、医師側に向けた機能も実装しています。例えば、医師はダッシュボードを通して、各患者の現在の症状や各種プログラムの進行状況を随時確認することができ、従来の対面診療ではかなわなかったトリアージを可能としています。さらに、蓄積された患者のデータを基に、糖尿病治療の新たな発見に役立てることができます。

今後の展開

 過去最大規模の糖尿病デジタル治療プログラム「myDiabetes」の展開は、イギリスケント州とメドウ州の10万人もの糖尿病患者が最先端の技術を活用できるようになることと同義であり、多くの人々が救われることは言うまでもありません。同製品のローンチに際してKent and Medway CCGのIan Butcher氏は以下のようなコメントを残しています。

「Paul Carr Diabetes TrustとともにCCGにいる私たち全員が、今回myDiabetesをローンチできたことはケント州の糖尿病患者さんにとって本当に素晴らしい一歩だと感じています。myDiabetesは、使いやすいデジタル自己管理ツールで、教育プログラムやエビデンスに基づく情報、アドバイスなどを提供します。myDiabetesは、既存の糖尿病サービスを補完するように設計されており、これを利用するすべての人が、健康やウェルビーイングを向上させるために自分の状態をよりよく管理するためのツールにデジタルでアクセスできるようになります」

デジタル技術の活用により、これまでよりも多くの糖尿病患者に最適な治療を提供することを可能としたmyDiabetesの展開にこれからも注目していきましょう。


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