Apple Watchで悪夢の治療を可能とするアプリ『Nightware』

NightWare, Inc.の開発した製品「Nightware」は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を原因とする悪夢障害や悪夢に関連する睡眠障害の治療をサポートするApple Watch向けのアプリで、FDA(米国食品医薬品局)により販売の認証を得ています。

Nightwareの機能

引用元:https://pharmashots.com/3563/nightware-receives-the-us-fdas-approval-for-the-first-medical-device-to-stop-nightmares-related-to-ptsd

同製品は、Apple Watchのセンサーを利用して体の動きや心拍数といった睡眠状態を測定し、Nightwareのアルゴリズムで解析します。
患者が悪夢を見ていると判断された場合、Apple Watchが振動して患者を起こすことなく悪夢から脱却した状態へと移行させます。そうすることで患者は睡眠周期を乱すことなく、より良い睡眠をとることができます。

Nightwareの優位性

Nightwareの安全性と有効性は、70人の患者の30日間の無作為化プラセボ対照臨床試験のデータによって裏付けられています。さらに各患者の睡眠パターンはデバイスによりデータとして集積され、独自のAIアルゴリズムにより、個々の患者に対する効果的な治療へと最適化することが可能です。

米国では約800万人がPTSDに苦しんでおり、患者の約八割が悪夢を経験しているといいます。同社のCEO、グレディ・ハンナ氏は、「現役、または退役軍人や、この症状に悩む全ての人々を救うことが我々の使命。悪夢からくる睡眠障害を軽減するための治療法として認められた唯一のデバイスとして、『NightWare』を導入できることを嬉しく思う」と述べています。

Nightwareの注意点

Nightwareは現在処方箋でのみ入手可能となっており、同製品単体で睡眠障害を治癒するのではなく、ガイドラインに沿った医薬品および医師が指定する特定の治療法と併用する必要があります。

今後の展開

近年ウェルネス市場の急成長を受け、スマートウォッチはますますヘルスケアアイテムとしての地位を確立しています。
同製品のように心拍数を測定し、振動により睡眠をサポートする機能に加えて、血中酸素濃度を測定する機能、体温、ストレスレベルを計測する機能、血圧を測定する機能を持つスマートウォッチ等、ヘルスケアをサポートするデバイスが世界で注目されています。

Nightwareを始めとしたこのようなウェアラブルデバイスを活用するシステムが、今後どのようにDTx分野に広がっていくか、注目していきたい所です。

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