2022年5月26日、ゲームを使ったDTx(デジタル治療剤、デジタルセーラピューティクス)を開発しているAkili Interactive Labs, Inc(以下、Akili)と、毎日何千万もの人々が利用しているメタバースを使ったオンラインゲーミングプラットフォームを提供するRobloxがコラボレーションを発表しました。
このコラボレーションによりAkili社が販売しているADHD治療VRゲーム「EndeavorRx」をRobloxのプラットフォームで利用できるようになります。
Akiliとは
Akili社 はデジタル治療用アプリを開発している2011年創立の企業です。主にADHDなどの発達障害、うつ病などの精神病の治療を目的としたサービスの開発・販売をおこなっています。
世界で初めてゲームベースのDTxでFDAの承認を受けました。
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Akili社のCEO兼共同創設者であるEddie Martucci氏は、今回のコラボに対して次のように述べています。
「私たちは『EndeavorRx』というFDA認可のビデオゲーム治療によって、薬でも楽しむことが可能であることを実証しましたが、それはほんの始まりに過ぎません。これまでに見たことも経験したこともない方法で、デジタル医療を患者の日常生活に取り入れることがアキリの長期的なビジョンです。
Robloxは、何百万人もの人々の学び、働き、つながり、遊ぶ方法を変えました。私たちは、両業界の限界をさらに押し広げ、医療の経験を再定義し続けるために協力できることに興奮しています。」
Robloxとは
Roblox社は「Roblox」という全世界で二億人以上(2022年時点)のユーザーが登録しているゲーミングプラットフォームを開発している会社です。
Robloxのユーザーはメタバースのゲーム空間で色々なゲームをプレイすることができます。基本的にRobloxは無料でプレイすることができ、ゲーム内購入は「Robux」と呼ばれる仮想通貨を通じて利用できます。
コロナ禍の影響により近年ユーザー数が飛躍的に伸びており、2020年8月には米国の16歳未満の子供の半数以上がプレイしていたというデータも出ています。最近では日本の小中高生の間でも流行を見せています。
RobloxのCBO(Chief Business Officer:最高事業責任者)であるCraig Donato氏は今回のコラボに対して以下のように述べています。
「ロブロックスは、毎日数千万人の人々が繋がり、創造して自己表現をする場となっていまあす。今回ロブロックスの思わず熱中してしまう楽しさ・魅力を、アキリの画期的なDTxに活用するために協力できることを誇りに思います。
アキリは、アクション・ビデオゲームを通じてADHDの子供のための処方箋治療を提供し、我々の想像力をかきたてました。また、相互的なデジタル体験を通じて何が可能であるかというビジョンと熱意を共有しています。私たちは、医療分野における新たな可能性を実現するための取り組みをリードするアキリを支援できることを誇りに思います。」
今後の展開
Akili社はRoblox社と共にEndeavorRxをさらに広めるため、このコラボは緊密に行われます。具体的にはユーザーがEndeavorRxでのタスクを達成するとRobloxで使えるデジタルアイテムが貰えたりする予定です。
年間15%の成長が見込まれているAkili社、近年急激にユーザー数を伸ばしているRobloxのコラボはどのようなシナジーを引き起こすのか、注目していきましょう。