『Propeller』とは
Propellerは喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者を対象に開発したデジタル治療アプリ及び付属デバイスで、FDAの認証を受けています。同製品は、付属品である吸入器に付いているセンサーを通して患者の服薬状況を自動で管理・記録し、それを基に個々の患者に最適化した服薬リマインドや症状コントロールの提言を行っています。
Propellerの優位性
医学的効果
PropellerはFDAによる医学的効果が実証されており、服薬の継続率と重症化予防に関する治験では、同製品を利用した介入群と、利用していない対照群との比較において服薬継続率が最⼤ 58%改善し、喘息及び COPD 関連での救急外来・⼊院の割合では、喘息で 57%、COPD関連で 35%削減したことが報告されています。
個々の患者への最適化
喘息は発作が起きたタイミングでの処方が必要であり、かつ発作のタイミングが各患者で異なることから各患者に合わせた処方が必要となります。しかしながら従来のアナログ的な喘息治療ではいつ、どこで発作が起きたのか、そしてどのタイミングで服薬をしたのかといったデータを随時収集することは難しく、各患者に対応した処方は不可能に近いのが現状でした。
一方で同製品は、付属品の吸入器に付いている専用センサーを通して患者の位置情報や服薬状況を自動で管理・記録することができるため、それを基に個々の患者に最適化した服薬リマインドや症状コントロールの提言が可能となっています。
日本国内への展開
Propeller Health社は2020年、製薬大手企業のNovartis社との提携により日本国内への提供を開始しています。これによって患者はNovartis社の喘息治療薬「Enerzair」もしくは「Atectura Breezhaler」とPropeller Health社のデジタルアプリを併用することができ、より一層喘息症状の改善が期待されます。
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Propeller Health社の共同設立者でCEOのDavid Van Sickle氏は「Propellerのプラットフォームを日本に導入し、喘息を患う多くの方々にデジタルヘルスをご紹介できることを非常に嬉しく思います。」と述べています。
現在Propeller Health社は、海外への進出を急速に拡大しており、日本への進出はその一環であるとも言えます。『Propeller』は喘息治療用のDTxとして世界に先駆けて展開されていますが今後日本でも同様のサービスが勃興してくるのか、引き続き注目しましょう。