SoftBankと米Pear Therapeutics社が提携し、日本市場向けの睡眠/覚醒障害治療DTxを展開

SoftBankとPear Therapeuticsの戦略的提携

 2022年3月21日、処方箋型DTx(=PDT)における第一人者のPear Therapeuticsと、日本のIT大手SoftBankが睡眠/覚醒障害の治療のためのDTxを日本で展開することに同意しました。

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既に慢性不眠症に対するDTx「Somryst」を提供しているPear Therapeuticsと、日本において主要な通信及び情報通信技術サービスを提供しているSoftBankとが合意した今回の提携は、DTxの後進国である日本を盛り上げる可能性を大いに秘めています。具体的な提携内容については、Pear Therapeuticsが日本市場向けのDTx製品を開発し、他方SoftBankが日本市場におけるDTx展開可能性を調査するとともにDTxの独占的ライセンスの交渉権を持つといったものになっています。

背景

 現在、世界中の多くの人々が睡眠に関わる問題に悩まされており、COVID-19の流行はそれに更なる拍車をかけました。とりわけ日本においては、不眠症の全国的な疫学研究で日本人男性の12.2%日本人女性の14.6%もの人々が不眠症であることが報告されています。このような状況下において、睡眠障害治療のDTxを開発することは、睡眠障害を抱える人々の大きなアンメットニーズを大いに満たすことができるとPear TherapeuticsのCEOであるCoreyMcCann医学博士は考えています。

現在Pear Therapeuticsは既に3つのPDTをローンチしており、特に「Somryst」は慢性不眠症向けのPDTであることから、既に社会実装済みの知見を活かして展開していくことが予想されます。
一方、SoftBankは「BeyondCarrier」戦略の下でさまざまな業界に対するDXを推進し、社会問題を解決していますが、とりわけ今回合意した睡眠障害用のDTxは日本が抱える医療問題の改善を期待しています。

今後の展開

 現在日本ではDTxの市場が未成熟であり、かつ新規プレイヤーの参画もあまり見られません。そのような状況において、今回発表されたような日本の大企業と海外のDTxプレイヤーが提携し、日本市場へDTxを展開していくことは市場の形成に大いに役立つことが予想されます。今後、どのような製品が発表されるのか、引き続き注目しましょう。


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