DTx製品『myAsthma』とは
『myAsthma』は、喘息の専門家とユーザーの協力を基に英my mhealth社が開発したDTxで、12歳以上の喘息患者向けに提供されています。疾患理解をサポートする教育コンテンツをはじめとして、気候に関する情報や服薬管理機能など、喘息をセルフマネジメントするような各種プログラムを提供しています。
↓↓↓ my mhealth社についてはこちらの記事をご覧ください
具体的にどのような機能を備えているかについて患者側、医師側に分けて説明します。
患者側への機能
教育コンテンツ
喘息症状に関する教育動画コンテンツが充実しており、患者は動画を通して自身の疾患理解を深めたり、吸入器の正しい使用方法を学んだりすることができます。
記録機能
一日を通していつ、どのような状況で喘息の発作が起きたかを記録する機能やFVC(努力性肺活量)を記録する機能を通して、服薬タイミングの向上をはじめとして、より効果的な疾患コントロールを可能とします。
天気、汚染、花粉の予測
その日の天気や空気の汚染状況、花粉の状況など、喘息症状に影響を及ぼす可能性のある気候状況についての情報コンテンツを提供しています。
myAsthmaアクションプラン
『myAsthmaアクションプラン』と呼ばれるプログラムは、いつ、どのように薬を服用すればよいかを示してくれます。実際に同プランを使用したところ、通常よりも喘息発作を抑えられ、さらには喘息で入院する確率を4分の1まで減少させたという報告があがっています。
医師側への機能
医師はダッシュボードを通して患者の現在の症状やACTスコアと呼ばれる喘息コントロール状況を数値化したものを確認することができます。これにより、従来の対面診療ではかなわなかったリアルタイムでの診察を可能にするとともに、優先度の高い患者を優先的に診察するトリアージを行うことができ、医療の効率化を図ることが可能となります。さらには、蓄積された患者の情報を基に、喘息治療の新たな発見に役立てることもできます。
今後の展開
新型コロナウィルス感染拡大の影響は喘息にも多大な影響を及ぼしています。ウィルスによる気道感染は喘息発作の原因の一つとなっており、現在のコロナ禍においては喘息患者が増加することが予想されています。そのような状況下でありながら、コロナ禍で対面診療が制限されていることから、自身の症状をうまくコントロールすることができない患者が多く、症状が悪化してしまうケースが多数存在しているのです。
そのような状況下において、今回説明した“myAsthma”は対面での診療を必要とせず、いつどこでも喘息をセルフマネジメントすることができるツールとして、多くの喘息患者を助けることは言うまでもありません。コロナ禍で多くの喘息患者が苦しんでいる状況を打破するようなmyAsthmaの動向に今後も注目しましょう。